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小説

6/6の記事とは全く関係のない作品です

友人が来て、『一年中雪の国』『老人の過去』『呪われた時計』のテーマで小説を作れよ とか言われたのでさっそく製作したしだいだよwww


製作時間は数時間
大した長さではなく
しかも中途半端なところで止めてます

まぁ、練習程度ですのでよろしければどうぞ↓

 その国は、太陽を見ることができない。厚い雲に覆われ、雪が降り止む事はない。
 暖炉の火を見つめながら、かじかむ手を擦る。はぁ、と息を吐くと少し白い。老人は、ベッドに横たわっていた。
 シワまみれの顔、細すぎる腕、余命もさほど無い、弱りきっている老人だ。
 そんな彼の部屋にもう一人、無邪気に走り回る子供がいた。老人の年齢からすると孫だろう。
「ねぇ、お爺ちゃん。これなぁに?」
 少年が持ってきたのは、どこにでもある懐中時計。メーカー名もなく、名前すら書いてない。無印商品。それでも時計自体は動き続けていた。
「・・・・」
 目を瞑っているのか、開けているのかわからない。シワが垂れ下がり、彼の目を覆っていた。
 もしかしたら、寝ているのかもしれない
「ねぇ、ねぇ」
 そんな事を考えず、少年はベッドを揺する。
「・・・あれは、私が三十代の時だ」
 老人は、ゆっくりとしゃべり始めた。少年は、その昔話に期待して、ベッドに肘をつける。

 当時、老人が三十四歳の時である。彼は刑事で、年齢以上のキャリアを持っていた。
「お前は結婚とかしないのかよ?」
 と、旧友の問いに対し
「仕事が好きなんだ」
 と、答える。
 彼は、数年付き合った女性にプロポーズをしようとしていた。
「それにしても変わっているよな。プロポーズに普通は時計なんて送らないぞ」
 男は、指輪ではなく時計を選んだ。理由は知らない。彼にとってその時計がどのような物なのか、当時の私には理解できなかった。
 今日もその時計を買いに行く友人の付き添いに来ただけだ。私にとって時計はあまり必要がなかった。当時の私が欲しい物といえば、レコードぐらいだった。雪が降り続くこの国では外出するよりも部屋の中で音楽を楽しむというのが、一般。
 しかし職種上、外出の多い仕事のため格好だけでもつけようと欲している。老後は、それで音楽でも聴きながらゆっくり過ごそうと考えていた。
「ここだ、ここ」
 しゃべっている間に店についた。看板は出ていない。遠くから見たら時計屋には見えないだろう。
 ドアを押すとカラン、カラン、とドアについているベルがなる。
 店主は顔を上げて、彼らの顔を見るなり
「いらっしゃい」
 と、言った。友人は少し微笑み帽子を取った。帽子には雪が少し積もっていて、入り口でそれを叩く。パラパラ、と床に落ちる。
 私は、真似るように同じ事をする。
 店内は暖かく。床に落ちた雪はすぐ解けて水になっていた。その上を靴で歩くものだから床は黒い水が垂れていた。
 床を見る限り、数人の客が中を歩き回っていた形跡がある。職業柄かこんな事を日頃察してしまうようになっている。
「それで、どれだ?」
 店内は居心地がいいのだが、店主が睨み続けているので早く帰りたかった。万引きをした客でもいたのだろうか。私たちの事をずっと見ている。
 そんな事にも気をかけず、友人は自分の目的の物を探す。
「確か・・・ここら辺に・・・」
 いくつもの時計が並べられている中にその懐中時計はあった。シルバーの外面にダイヤルがダイヤになっている。見たところ男性物だ。
「自分が欲しいやつか?」
「いや、彼女にプレゼントするのさ」
 上機嫌に言っているが、プレゼントしても男性物だ。その女性が少しずれているのだろうか。
「おい、ここにある奴が欲しいのだが」
 私のアドバイスを聞かずに、友人は店主に向かって言った。
「はい、ではこちらにサインを」
 用紙を渡して、店主はその時計を梱包し始めた。
「何だ、送ってもらうのか?」
「ああ、ここの品物は全て宅配なんだと。なんでも、そのまま持ち帰った客が壊してこの店に訴えてきたらしい」
「一体どんな客だよ。クレーマーも酷い人間がいたものだ」
 友人の話では、この店の時計に見とれていて電柱にぶつかり、時計を壊してしまったらしい。その時計を作り直せと、クレームが来たので、だったら梱包して送る、と店主が提案したらしいく、それ以降彼は梱包して宅配するというサービスをしているらしい。
「ほら、書いた。できるだけ早く送ってくれよな。プロポーズの練習もしないといけないから」
「よく、そんな恥ずかしい事を声に出して言えるよ」
 呆れてしまう。昔は人前でしゃべる事すら恥ずかしがるような奴だったのに、彼の中での結婚とはそれ程のものなのか。
「数日後には届きます」
 店主が笑顔も見せずに言った。あまり好きな人間ではない、そう私は感じ取った。
「そうか、じゃあ頼むぞ」
 友人は、そんな事も気にせず帽子を被る。私も後を追うように帽子を頭に乗せた。
 ドアを引くと入った時と同じようにカラン、カラン、とベルの音が鳴った。

 数日後、友人から電話がかかってきた。息は荒く、滑舌も良くなく、何を言っているのか理解できなかった
『あ・・・時計は・・・・てる』
「どうした?何だって?」
 私は何度か聞き返す。
『あの時計は呪われている』
 その一言が聞き取れた瞬間だった。受話器が置かれる。
 呪われている?意味が分からなかった。しかし、彼の身に危険が迫っている、と感じたのだ。
 私は受話器を置き、外へ飛び出した。ソリの紐を犬の首輪に繋げる。この国には馬車などない。犬かトナカイにソリをつけて走らせる。それ以外に移動手段はスキー板ぐらいだ。
 カン、カン、とベルを叩く。それを合図に犬たちが走り始める。マフラーで口を覆い、手綱をしっかりと手袋越しに掴む。
 彼の家までソリで十分程度だ。いや、十分もかかる。
 歩いている人間に向かってベルを鳴らして知らせる。このベルはパトカーでいう所のサイレンだ。車などが無い変わりに人ごみの中を走らなければならない。
 焦っているのか、無駄に時間がかかるような気がする。
「もうすぐだ・・・」
 彼の家が見える。その時だった。オレンジ色に光ったと思ったら、私はソリから転げ落ちていた。雪に埋もれた顔を上げると彼の家が燃えている。
「・・・・・」
 無言で走っていた。冗談ではない。結婚するのではなかったのか。まさか、フラれたから自殺を?彼に限ってそれはない。
 家の前には野次馬が集まり始めていた。
「くそっ・・・」
 誰でもいい。手伝ってくれ、そう言ったが誰もが聞かぬふりだ。
 私は、ドアを蹴り破り家の中へと侵入する。自分の旧友なのだ。
「おい、やめろ」
 しかし、こんな時に限って冷静な奴がいる。私は後ろから腕を掴まれ取り押さえられた。何を訳のわからない事を言っている。中に人がいるのだ、私の叫びは誰にも聞こえない。
 いや、これも聞かぬふりだ。こうして、私は彼の家が燃え尽きるまで何もできなかった。



 話の序章程度で少年は寝てしまった。老人は、彼の頭を数度撫でると思い返すように独り言を呟き始めた。

 事件はその数日後に起きた。例の時計屋の近くに住む男が毒死した。私は、この事件と旧友の事件の二つの件で時計屋へと入った。
 あの日と変わらず、ドアを押すとベルが鳴った。
「いらっしゃいませ」
 無愛想な店主も何一つなく同じだ。
「少し聞きたい事がある」
 警察手帳を少しだけ見せる。彼は動揺を見せず、ただ普通に頷いた。
 彼は、立ち上がり店の奥を指差す。どうやら、そちらで話を伺おうという事らしい。私は、帽子を取り奥へと進む。店主は、店の立て札をクローズに変え私の後ろをついてくるように歩いた。
「そちらです」
 指を指した方のドアを開ける。客室のようだ。暖炉とソファーが二つ、その真ん中に小さなテーブルが一つ。それだけの部屋だった。
 暖炉に火をつけると燃え広がり、数分程度で暖かい空気が流れ始めた。
「まず、私の旧友が時計を購入してすぐに火事で死んだ。死因は撲殺。その後放火されたらしい。この事についていくつか聞きたい」
「はい」
 俯いたまま店主は返事をした。しかし、表情は変化なく例えるなら無表情。冷静さすら見える。
「あの時計は呪われている、そう言った」
「そうですか・・・」
「どういう意味だと思う?」
 その問いに対し彼は一息つき、目を細めてこちらを見た。
「あの時計は、購入する人間を呪い殺す時計にございます。近所の事件も時計の購入者でございます」
 テーブルを強く叩く。
「ふざけるな」
 叫んでいた。完全にバカにされている。この男は真顔でそんな事を言ったのだ。
「いいえ、ふざけてなどおりません。あの時計は私の祖父の代からある呪われた時計なのです。」
「なぜ、そんな物を店に置いている評判が悪くなるだけではないのか」
「そうですね。しかし、あの時計に引き込まれて入ってくるんですよ。」
 私は、ため息をついて起立する。舐められている。戯言を聞く時間が惜しい。この男はマークしておくが、他にも容疑者がいる。この男だけに時間を割くわけにはいかない。
「失礼する」
 ズカズカと客室を出る。
「ふざけてなどいませんよ。本当に・・・」
 男が呟く。


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ジャヴュ・ドッペル

Author:ジャヴュ・ドッペル
えらいとこ見られた
こりゃあもう 百年目 じゃと思いました

あと、このブログは敬称略ですので悪しからず。

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