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思い出

久しぶりに書いたら、書き方をすっかり忘れていた。
なんだか、手探りで書いたところが多くて、あまり出来はよくないと思う。

それに、手直しをしているつもりが、どこをどう手直しするのか分からなくないr、終いには改変、改変、改変の嵐、原型をとどめていないところもちらほら、ダメだ、ちゃんと書ける様にならないとなぁ

ということで、リハビリ第一弾。


思い出
彼岸前になれば、必ず一人暮らしの祖母から電話がかかってくる。
「今年は、健治、帰ってくるのかえ?」
こうして毎年のように急かされて、父・健治、母・瞳、息子・翔の三人は東北へと向かう新幹線に乗り込むのであった。

「父さん、また、おばあちゃん家に行くの? 今年は遊園地に行きたいよぉ」
そうワガママ言って今にも泣きそうなと4歳の翔を妻の瞳があやしたり、機嫌をとっているのを尻目に、健治はうとうととしていた。

夢だったのか、あるいは意識があったのか。 昔のことを健治は思い出していた。

今は体力の問題から行けないが、昔は毎年墓参りに行っていた、あのなつかしの土地。
健治はなぜか、そのお墓参りが待ち遠しいのであった。 子供は手を合わせるぐらいしかしないのに、だ。 今になって思えば、雰囲気が好きだったのかもしれない、道中では蝉があんなにもうるさく鳴いていたのに、霊園に一歩でも足を踏み入れると急に静まり返る、先客がいたのだろうが、線香の匂いがどこからともなく微かにして、不思議な感覚。

ある年、健治は楽しみにしていた墓参りの帰りの車内で、嫌な予感がした。 漠然と何が起こるのかさえもわからないけど、嫌な予感。
母の実家に着くと、祖母がニッコリと笑顔で立っていた。
「母さん、足が悪いのだから、無理して外で待っていなくても」
「ええんじゃ、ええんじゃ」
普段なら家の中で待っている祖母が外に出てわざわざ待っていた。

両親はそそくさと中に入っていく中、一人遅れて健治が入ろうとしたとき、祖母が耳元で
「夜、気つけろぉ、気つけろぉ」
とささやいた。
嫌な汗がじっとりと背中から溢れてきた。

夕食を食べ終え、風呂に入り、家族三人川の字で寝ていた。
夜中に目が覚める健治。 トイレに行きたいのだが、古い家だけあって、トイレが外にあってそこまで行くのが怖い。
だが、仕方がないと意を決して、廊下からトイレまでの照明という照明を全てつけていって、向かった。
夏だというのに、山に囲まれた田舎の夜はやけに涼しい。
用を済ませて、手を洗っているとふと遠くに何かの影が見えた、目を凝らしてみると、どうやら人のようでだんだん近づいてきた。
怖くなって逃げようとするが足が動かない、足音がだんだんと大きくなって、そして、止まった。
健治の手をギュッと握り締める誰か。 振り返ってみると女の子であった。
「お前、ここらじゃ見ない顔だな いいとこ教えてやる」
といわれ、そのまま、引っ張られた。
彼女は山へと向かった。 トイレ用の下駄ともスリッパともつかぬ履物での山歩きはキツイ。
「足が痛いよ、ちょっと待ってよ」
と健治は言うが一向にとまる気配はない。

しばらくして、なにやら神社のようなところに着いた。
不思議なことに、敷地の真ん中に大きな井戸があって、彼女はその前まで進み、急に健治に抱きついた。
「や、やめてくれ、痛いよ」と言って健治は抱きつく手を剥がそうとするが、力が強くてなかなか出来ない。
「じゃあ、いくぞ」
そういって、彼女は井戸へ飛び込もうとする。
必死の抵抗空しく、健治と彼女は飛び込んだ。

どこまで落ちていく暗闇。
落ちていくなか、彼女は健治の頬をギューッとツネった。
「痛いだろ? 痛いだろ?」
そして、膝から地面に落ちた。


気を失ったのか、それとも寝ていたのか。
目を覚ますと井戸の中にいるはずが、まだ眠りこけている両親の真ん中でいつものような格好でいた。
服には血も土もついていなかった、「なんだ、夢か」と立ち上がって顔を洗おうと洗面所に向かうと、障子に膝を打った。
激痛が走って、見てみると。両膝が青あざになっていた。

座り込んで、さすっていると、祖母がやって来た。
「昨日やられたのか?」
そう言った。
「うん 井戸に落ちて」
「山の上のか? 神社のか?」
「うん、知ってるの?」
そう聞いてみると祖母は黙って頷き、手を差し伸べた。
立ち上がると、祖母は「着いて来い」といって、玄関を出た。
まさか、あの山を登るのかと思いきや。 やや遠回りになるものの階段があって、それをゆっくりと時間をかけて上りだした。

着いてみると、昨夜見たような神社はなかった。朽ち果てた建物と、井戸だけ。
祖母は「井戸の中を見て来い」と言ったが、また後ろから押されるのではと思ってなかなかいけない。
「わかった」
そういって、祖母は井戸の近くまで行って、井戸の中に手を突っ込んだ。
「おばあちゃん、危ない!」
と叫ぶと、また祖母はニッコリと笑って、井戸に入れた手で土を取って、それをパッと地面に落とした。
「ほら、埋まってるよ」
おそるおそる近づいてみると、井戸を全て埋めてしまうほどにたっぷりと土で埋められていた。
「え、そんな。 なにもなかったのに…」
「それは夢だ、夢だ、悪いやつが見せる夢だ」

その世、祖母の隣で眠ることになった。
「大丈夫、ばあちゃんがおる、トイレに行きたくなったら遠慮せずに起こせ」
と言ってくれたので安心して眠れたが、いざ目が覚めてトイレに行こうとしたときに、祖母を起こしても一向に起きない。
「肝心なときに役に立たないな」などと失礼なことを思いつつ、祖母がいなければあのトイレに行くのは怖いので、ガマンして、また寝ようと努めていたら、祖母の部屋の前にある廊下が明るくなった。
人影が見えて、障子が開いた。
「健治、あそぼうよ、健治」
また、あの女の子である。
「いやだ、遊ばない」
「今度は優しくしてあげるからさ……ねぇ、遊びましょ」
彼女は必死で手を伸ばそうとしている、ふと健治は気づいた。“彼女は祖母の部屋には入ってこられない”と。
結界でもあるというのだろうか、廊下からこちら側にはどうやっても足が入れられないらしい。
「なんで、こんなことをするの?」
そう女の子は言った。
「お前か、うちの健治をいじめるやつは」
絶妙のタイミングで祖母は起きて、箪笥から、十字架を取り出した。
「asnodifjaweoifkasdoifj………AMEN」
何を言っているのか分からなかったが、最後だけは聞き取れた、アーメンだ。
「みんな、死んじゃえばいいのよ! バカバカ!」
そういって、女の子は消えてしまった。
「おばあちゃん……それは?」
「これか? これは十字架っていってな、キリスト教の……って、お前母さんから聞いてないか? この村はよ、昔は隠れキリシタンの集落でよ、上にあった神社みたいなのは、実は教会で、カタコンベみたいにしていたんだな」
健治は半分ぐらいしか言っている意味が分からなかった。
「ほんで、あの井戸、井戸には昔っから水はなくてよ、幕府のやつらが来たときに隠せるように、川から水汲んで、張って、ほんで小さな桶に十字架とか詰めて浮かべてたんだが、いつのまにか使わなくなってな、張っていた水も干からびてしまった。 ある夜、母親がな、新しい男のとこに行くっつって邪魔になった娘をよ、井戸に放り投げたわけよ」
「じゃあ、さっきの女の子は……まさか、その?」
「ああ、毎年、帰省してきてこの村に疎い者があの子に襲われて、村の者としても、なんとかしねえとって思ってたんだが、村の者は誰もちゃんと見つけたことがなくてよ、今回ようやく見つけたんだ。これであの子も天国だぁ」

翌日も、その翌日もあの子が出てくることはなかった。
いよいよ、帰る日になって、祖母が「今度来たときにはあの子の墓に花でもあげてやってな」と言った。
健治の両親はふと怪訝な顔を浮かべたが、健治はニッコリと笑った。


そして、大人になった健治は駅のアナウンスで目が覚めた。
忘れていた女の子のことを思い出し、今度九州へ行ったときには花をとっても綺麗な花でも買って手向けようと思ったのであった。
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テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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ジャヴュ・ドッペル

Author:ジャヴュ・ドッペル
えらいとこ見られた
こりゃあもう 百年目 じゃと思いました

あと、このブログは敬称略ですので悪しからず。

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