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リチェルカーレ~後編~

 スーパーのフロアに容疑者3人と大柿、それになんか怖い顔の刑事さんたち。
「そ、それでは始めます。」
 何か緊張するな。う~ん、参観日を思い出す。あ~、あの両親が宇宙人だもんなぁ。
「質問いいか?アンタ誰だ?」
 いきなり、質問された。刑事さんに
「え?大柿さんから聞いていませんか?」
「聞いていない。」
「そ、そうですか。私は、え~と私立探偵珠路ナンシーです。い、一応宇宙探偵で数ヶ月ぐらいTV出てたんですけど?え、はい、知らないですよね。」
 何故か、少しショックだ。
「ま、まぁ、気を取り直して今回の事件の犯人がわかりましたので発表したいと思います!!!」
「大柿が犯人だろ?」
 刑事さんが言った。
「え?なんで?大柿さんって刑事みたいなものじゃないんですか?」
「は?なんだそれは?コイツは今回の容疑者の1人だ。」
「えええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」
 いや、それは初耳ですよ?というか、それだと推理が少し変わってくるかな?
「ちょっと、待て!俺は、無実だ!今回、お前を呼んだのは、俺の無実を証明してもらうためなんだよ。」
「あ、あ~なるほど、それでは私の推理を聞いてください。それからでも遅くないでしょ?というか聞いてください!」
「わかった。わかったから、それで?」
 私は、咳払いをして気を取り直す。
「それでは、まず凶器ですがコレは意外なモノでした。いや、意外ではないのかもしれない。」
「つまりは、何が言いたいんだ?」
 大柿が聞いてくる。私は、ニヤリと笑う。
「アリア君、持ってきてくれ。」
 そう言うとアリア君が軍手をして氷の塊を持ってくる。
「持って来ましたよ~」
「これが凶器です。」
「は?これは氷だぞ?」
「そうです。氷です。この氷を磨いたんです。」
 私の発言に全員がタメ息をつく。2,3人笑っている方がいらっしゃいますが?何様ですか?
「まぁ、それが凶器だとしよう。でも、刺傷の大きさから考えて厚さは、3~6センチ程度。人を刺して、押し込むなんてことは出来ないだろ?」
「刑事さん、質問なのですが。刃渡りは、どのぐらいでした?」
「あ?ああ、刃渡りね・・・・推定だが15~20センチ以上だ。薄さ、3~6センチで長ければ長いほど折れやすい。つまり、そんな氷で殺人なんて無理なんだよ。」
「それが出来るんですよ!」
 ズバっと指を指す。そして、ものすごく冷たい目線が私に突き刺さる。
「・・・・信じていませんね。では、凶器を用意したので適当なモノを突き刺すことにします。では、何か刺すモノを用意していただけませんか?」
 そして、用意されたのはマネキンだった。まぁ、刺せればなんでもいいのだがマネキンを用意されるとは思わなかった。
 人間の皮膚とはまったく違うし、中に針金が入っていれば刺さりにくいというのに
「まぁ、いいでしょう。それでは、アリア君。刺してみてください。」
「はい、それでは・・・・・ほりょあ~~~~~~~~~~~~~」
 力の抜ける掛け声と共にアリア君がマネキンに向かって走った。
そして、ドスッ――という音とアリア君がマネキンごと倒れた後に出た騒音がフロアに響いた。
「あたたたた~~~」
「さて、これで証明できたと思います。後は、火をつけて今回の殺人は終了です。」
「終了って、まだ氷が刺さったままだぞ?」
 バラバラ死体の如くなっているマネキンを指差す刑事さん。まぁ、あの勢いで転がったらマネキンならバラバラだな。
「あれは、氷ではありません。それに氷なら溶けますし、消防の水と一緒になるので刺さっている氷から犯人を割り出すのは不可能でしょう。」
「ちょっと、待て。今、アレは氷じゃないって言ったな?」
「ハイ、アレは氷ではありません。あの薄さの氷なら普通は折れます。ですが、中に今が旬の秋刀魚を入れるとコレがある程度頑丈になるんですよ。」
「秋刀魚?」
 刑事がマネキンに駆け寄って、氷を抜き取る。
「これは・・・・秋刀魚だ。」
「そう、犯人は何処に刺したのか知りませんが致命傷を与えて、あとは焼き魚を作ったにすぎません。」
「それで犯人は!?」
 私は、ふっ――――と笑い指を指す。
「犯人は、3人の容疑者の中にいます!」
「・・・・・そうか。それで?」
「・・・ノリが悪いですね。まぁ、いいですよ。犯人は・・・・・」
フロアの空気が静まり返る。誰もが私を見ている。あ、少し気持ちいいかも
「犯人は、容疑者3人全員です!」
「はぁ?」
 また、変な目で見られ始めた。いけない、早く誤解を解かないと。
「いいですか?まず、家村 芳樹・白川 守・丹羽 三郎の3人は手分けをして分担作業に取り掛かります。
 恐らく、丹羽さんが五折漬けの秋刀魚を用意して、白川さんがそれを凶器に変えた。するどく、しただけにすぎませんが十分凶器になります。研いだとでも言いましょうか?
 そして家村さんが殺害して白川さんがコンテナに火をつけた。
と、まぁこれが私の推理です。」
「それで証拠は?」
「・・・はぁ~、それは刑事さん。アナタのすることです。私は、金を貰って憶測という推理をする。そういう仕事ですので。」
「あ、ああ、そうだな。」
 私は、一礼して店を出た。やっぱり、探偵というのはこういうものだろう。
「クールに登場、ズバッと解決、クールに去る。」
「・・・なんですか?それは?」
「ん~座右の名?」
「・・・・そうですか。」


 帰ってから気付いたのだが、大柿さんの濡れ衣を晴らせていないことを思い出した。
「・・・・まぁ、いいか。彼はしていないのだがらすぐに出れるだろうし。」
「そうですね。」
 その時、バッハの「三声のリチェルカーレ」が聞こえてきた。どうやら新しい着メロらしい。
「はい、コチラ珠路探偵事務所・・・・・・」
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ジャヴュ・ドッペル

Author:ジャヴュ・ドッペル
えらいとこ見られた
こりゃあもう 百年目 じゃと思いました

あと、このブログは敬称略ですので悪しからず。

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