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リチェルカーレ~中編~

 警備室に入った。中には十数台のモニターと電話があるだけだ。部屋の真ん中にテーブルとパイプ椅子が用意されていた。
 白川は、落ち着いた面持ちでパイプ椅子に腰掛けていた。
「初めまして・・・・珠路です。こっちは、助手の真桐。」
「どうも」二人で一礼する。
「それで何を聞くんですか?」
 白川は、疲れた表情でそういった。事情聴取が長引いているのだろう。
「すみません。私は、弁護士や警察ではなく。探偵という職業ですので、そう時間は取りません。」
「そうですか。」
 何度もそう言われたのだろう。どうでもいい、といった感じだ。まるでリストラされたみたいだ。
「では、事件前に最後にあった人物を教えてください。」
「黒井さんですよ。隠れて、ビールを飲むから刺身を運べと言われて刺身を切っていました。」
「なるほど、では刺身を切っている時に火事が起きたと・・・」
「ええ、そのようです。厨房にいたので気付きませんでしたが。」
 スーパーの奥にある厨房から冷凍室までは数分だ。犯行は、できない訳ではない。だが、しかし動機が曖昧だ。
「・・・・ありがとうございました。もういいです。」
「そうですか。」
 一礼して白川は出て行った。

 次に家村 芳樹がオドオドしながら入ってきた。金髪にピアスをしている割には、弱弱しく見える。
「は、はじめましてぇ・・・家村です。」
 適当に挨拶を交わして、事情聴取に入った。
「では、事件の前後30分間、何をしていたか教えてもらえますか?」
「え・・・・と、え~と事件が起きる前は、黒井に会っていました。冷凍室の近くで缶ビールを数本隠し持っていたので説教を」
「アナタは、若いのに店長をやっているんですね。」
「は、はい。形だけですけどね。」
 数分ぐらい。彼が何故店長をしているのかを説明してくれた。彼の父親がスーパーの本店を経営していて、無職だった彼がこのスーパーを任されたという訳らしい。
 ただ、経営などしたことがなかったから黒井にいくらか騙し取られたという訳だ。
「なるほど、でアナタは事件の後は何処に?」
「こ、ココにいましたよ。そこのモニターで従業員の監視をしていました。」
「監視?」
「ハイ。自分、若いんで。従業員が指示を聞かずに怠けることが多くて。」
 若いとか関係なく、人として進化できていない人間は人の言葉を理解できずに怠けると思うけど・・・・まぁ、今は関係ないな。
「ありがとうございました。それでは・・・」
 家村が部屋を出て行く。

 最後は、丹羽 三郎だ。中に入ってきた男は、ボサボサの髪にボロボロの服の男。
「はじめまして、丹羽です。」
 適当な挨拶を交わす。
「アナタは、事件が起こる前に誰か不審な人を見ませんでしたか?」
「いや、見てないな。オレは、冷凍室にいただけだからな。あ、そういえば店長と黒井が何か言い合っているのは見たよ。」
「そうですか。では、アナタが火事の現場を発見した時の状況を話してください。」
「え~と、確か昼休みになったから冷凍室から外に出たんだよ。そしたら警報が鳴り始めて、警報のなる冷凍室に近づいたら燃えていたんだよ。」
「なるほど、ありがとうございました。もういいです。」
 丹羽が部屋を出て行くと入れ替わりに大柿が入ってきた。
「どうだ?わかったか?」
「ふっ、この探偵ナンシーを甘く見てもらっては困るよ。」
 そう、こんな事件は2時間サスペンスドラマより簡単だ。私は、言った。
「容疑者と警察を集めてください。犯人は、容疑者の中にいます!!!」
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ジャヴュ・ドッペル

Author:ジャヴュ・ドッペル
えらいとこ見られた
こりゃあもう 百年目 じゃと思いました

あと、このブログは敬称略ですので悪しからず。

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