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第7話「次の世代が来てるの! の巻」

ドアの向こうは、がらんどうで何も無かった。

「ハリボテ…?」

チェルシーはそう呟いて天井を見上げた。ガラスで出来た天井、昼だったはずが、空には満天の星が。
「綺麗だろ、とっても」
暗闇から現れたチェルシーが、立ち尽くすチェルシーに言った。
「君は僕なのかい?」
チェルシーはまだ空を見上げながら、そう聞いた
「そうだね、僕は君であって、君でない。そういう存在って一体なんだと思う?」
「さぁ?全く見当も付かないよ」
「星だよ、チェルシー。僕らはあの輝く恒星なんだよ」
「なるほどね」
チェルシーにはどうでもよくなっていた。
これまでの長い旅、苦労多き旅、魔人に魔女。
そんなことがどうでも良くなるくらい、夜空が綺麗だったのだ。

家族を取り戻すのもどうでも良くなってきた。
チェルシーはそのまま、仰向けになって寝転んだ。

「どうして、空ばかり見ているんだ?家族に会いたくないのか?」
「ごめんよ、静かにしてもらえないか、星空が歪む」
「…僕も隣で見ていいかい?」
「どうぞ」
チェルシー同士で空を見た。

もう一人のチェルシーもどうでも良くなってきた。
空は美しく、風は清らか、他に何が必要といえるだろうか。


それから、気が付いたら二人とも眠っていた。
外に出てみると、何もかもがなくなって更地になっていた。
またハリボテの中に戻っても夜が明け昼になって目ざとい太陽が照っていた。
気付いたら、もう一人のチェルシーがいなくなっていた。
遠くから自分の名を呼ぶ声が聞こえる。

「チェルシー、チェルシー、ここよ」
しかし、存在が確認できない。




気付いたら、まだ病院にいた。
白いベッドの上で身動きが取れないチェルシーを囲む家族たち。
「チェルシー、死なないで」
マリーが言う。

死ぬものか、死ぬものか。僕は生きるんだ

心で叫んでも誰にも聞こえない。
僕と僕を除いては。
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テーマ : 自作小説(ファンタジー)
ジャンル : 小説・文学

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ジャヴュ・ドッペル

Author:ジャヴュ・ドッペル
えらいとこ見られた
こりゃあもう 百年目 じゃと思いました

あと、このブログは敬称略ですので悪しからず。

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